小説「イメージ4」No:127
イメージ No:127
韓国と中国からヒキガエルが、南アフリカからロバが、南
ヨーロッパからカニ、アラビアから吠えるライオン、東ヨー
ロッパや北アメリカから髪の長い女性、南アメリカからワニ
そしてベトナムからは、大きな木の下で休む男性が集まった。
みんな月に映ってるモノ達だ。
所は、福賀貴義が通ってる銀座8丁目の福寿司。
「え!らっしゃい」
のれんをくぐって入って来たのは、五代目彫辰(福賀)の背
中から抜け出して来たリュウジと六代目(福賀が彫った)娘
龍のタツミだ。
つづいて、ヒキガエル・ロバ・カニ・ライオン・髪の長い
女性・ワニ・ベトナムの男性が入って来た。
夫々が適当な大きさになってカウンターに並んだ。
「今日は貸し切りにしたからね」
「タイショオサン アリガトウゴザイマス」
「みなさん楽しそうだね。これが夫々の月に映ってるんだ」
「ソオナンデス」
「予約を受けた時は、大丈夫かと思ったけど、良く集まった
ね」
「イシン デンシンデス」
「なるほど、で、何処に集まったんだい?」
「ヒビヤコウエン」
「どうやって来たの?」
女将が聞いて来た。
「ソレゾレ イメージノ モノダカラ」
「そう。イメージね。イメージって云うと?」
「コオシテ カタチニ ナッテ イテモ ホントオワ」
「形だけなんだよ」
大将が女将に助け舟。
「タイショオノ ユウ トオリデス」
「そうなのね。ちょっと触って良い?」
「イイデスヨ」
「あ!無い!形はあっても中は何もない」
「アレタチモ カタチ ダケ。ナカミワ ツキノ ナカ」
「ふ~ん」
大将も女将も、解ったような、解らないような顔で見合わせ
てる。
「で、寿司だけど、大丈夫か?」
「ダイジョウブ イメージ ナノデ」
「そうかい。何から、いこうか?}
「ソウデス アナゴ オネガイ シマス」
「通だね」
「ソンナ タイショオサン ウレシイ コト イッチャッテ」
「照れるんだ。可愛いじゃん。次は?」
「ホンマグロノ アカミ オネガイ シマス」
他は、どうかと観てみると、夫々が隣とにこやかにし合ってる。
「何か、妙な感じだけど、楽しんでくれてるみたいだ」
「タイショオサンノ オヒトガラノ セイデス」
「よく云うよ」
「サイゴ ギョク オネガイシマス」
「福さんの背中で、しっかり学習したんだな。立派なもんだ」
「アリガトウ ゴザイマス」
大将も嬉しそう。
「タイショオサン コレカラ アソコ二 イキタイデス」
「あそこって、伊東のかい?」
「ハイ」
「福さんに云わなくて、大丈夫かい?」
「ダイジョウブデス」
「福さん大丈夫なら、あっしら良いけど」
「オネガイシマス アソコデ ツキノ カオ サミット シマス」
つづく
韓国と中国からヒキガエルが、南アフリカからロバが、南
ヨーロッパからカニ、アラビアから吠えるライオン、東ヨー
ロッパや北アメリカから髪の長い女性、南アメリカからワニ
そしてベトナムからは、大きな木の下で休む男性が集まった。
みんな月に映ってるモノ達だ。
所は、福賀貴義が通ってる銀座8丁目の福寿司。
「え!らっしゃい」
のれんをくぐって入って来たのは、五代目彫辰(福賀)の背
中から抜け出して来たリュウジと六代目(福賀が彫った)娘
龍のタツミだ。
つづいて、ヒキガエル・ロバ・カニ・ライオン・髪の長い
女性・ワニ・ベトナムの男性が入って来た。
夫々が適当な大きさになってカウンターに並んだ。
「今日は貸し切りにしたからね」
「タイショオサン アリガトウゴザイマス」
「みなさん楽しそうだね。これが夫々の月に映ってるんだ」
「ソオナンデス」
「予約を受けた時は、大丈夫かと思ったけど、良く集まった
ね」
「イシン デンシンデス」
「なるほど、で、何処に集まったんだい?」
「ヒビヤコウエン」
「どうやって来たの?」
女将が聞いて来た。
「ソレゾレ イメージノ モノダカラ」
「そう。イメージね。イメージって云うと?」
「コオシテ カタチニ ナッテ イテモ ホントオワ」
「形だけなんだよ」
大将が女将に助け舟。
「タイショオノ ユウ トオリデス」
「そうなのね。ちょっと触って良い?」
「イイデスヨ」
「あ!無い!形はあっても中は何もない」
「アレタチモ カタチ ダケ。ナカミワ ツキノ ナカ」
「ふ~ん」
大将も女将も、解ったような、解らないような顔で見合わせ
てる。
「で、寿司だけど、大丈夫か?」
「ダイジョウブ イメージ ナノデ」
「そうかい。何から、いこうか?}
「ソウデス アナゴ オネガイ シマス」
「通だね」
「ソンナ タイショオサン ウレシイ コト イッチャッテ」
「照れるんだ。可愛いじゃん。次は?」
「ホンマグロノ アカミ オネガイ シマス」
他は、どうかと観てみると、夫々が隣とにこやかにし合ってる。
「何か、妙な感じだけど、楽しんでくれてるみたいだ」
「タイショオサンノ オヒトガラノ セイデス」
「よく云うよ」
「サイゴ ギョク オネガイシマス」
「福さんの背中で、しっかり学習したんだな。立派なもんだ」
「アリガトウ ゴザイマス」
大将も嬉しそう。
「タイショオサン コレカラ アソコ二 イキタイデス」
「あそこって、伊東のかい?」
「ハイ」
「福さんに云わなくて、大丈夫かい?」
「ダイジョウブデス」
「福さん大丈夫なら、あっしら良いけど」
「オネガイシマス アソコデ ツキノ カオ サミット シマス」
つづく
2024-11-01 16:40
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