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小説「イメージ4」No:128

イメージ No:128

 伊東温泉・山海ホテルでは、お伽の国の風景が展開していた。
既に、女将と顏馴染みになってる福賀の背中のリュウジと六代目の背中の
タツミの連絡で、色々な国で月にイメージしてる面々が密かに、ホテル最
上階宴会場に集まって、日本食を楽しんでる。
韓国と中国からヒキガエル。
「・・・・・・・・・・・・・・」
南アフリカからのロバ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
南ヨーロッパからはカニ。
「・・・・・・・・・・・・」
アラビアから吠えるライオン。
「・・・・・・・・・・・・・・」
東ヨーロッパや北アメリカから髪の長い女性。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
南アメリカからワニ。
「・・・・・・・・・・・・・・」
ベトナムから大きな木の下で休む男性。
「・・・・・・・・・・・」
夫々が夫々の国の人たちが月を眺めてイメージするキャラクターだ。

 集まろうと声を掛けたのが、福賀の背中に彫られた、昇り龍のリュウジだ。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」

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 皆、夫々、顔を見合って、親しみ合ってる。
気持ちだけで会話が成立しているようだ。
女将が様子を見に来た。
「リュウジさん。皆さん楽しそうですね」
「ワカリマスカ?」
「解ると云うか、感じるって云った方かしら」
「ツキト チキュウワ インリョクデ ツナガッテ イマス」
「そうね。そして太陽とも」
「オイラ ゴダイメノ セナカデ カンジテマシタ」
「そうでしたか。それは知らなかった」

「ツキ二 イメージシテル キャラクタート アツマレタラ イイナッテ」
「大変な事を考えたわね」
「ツキ二 ウツッテル キャラクターガ ソノクニノ キモチカナッテ」
「どうなのかしら?」
「タシカメ アイマシタ」
「どうでした?」
「イロイロデシタ」
「そうでしょう」

「デモ チキュウガ アブナイッテ オナジデシタ」
「そう」
「アツマッテ ヨカッタデス」
「良かったわね。で、どうやって集めたの?」
「ソラニ ムカッテ アツマロウッテ サケビマシタ」
「へ~ぇ。それで良く集まったわね」
「オイラタチ イメージダカラ」
「フクガセンムさんのイメージね」
「サイデス」

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「イメージ同士だから、イメージで集まれるのね」
「サイデス ココ二 ツキト チキュウヲ ムスブ サミット デキマシタ」
「良く出来ました。それで、どんなサミットですか?」
「アクノ テカラ チキュウヲ マモロウサミット デス」
「夫々の国で考えてもらえると良いわね」
「ソレ ダイジ デス」
「ゴダイメ イツモ カンガエテマス」
「私も考えてるわ」

「ミンナデ オンセンニ ハイリタイデス」
「良いわよ。大浴場を貸し切りにしましょう」
「アリガトウ オカミサン」
「気を付けてね」

 ホテルの中をイメージのキャラクター達が移動して大浴場に入った。
ヒキガエルとカニは、湧き水の風呂に、後のキャラクターは42度の湯船に
入って行った。
日本の温泉は、自然の恩恵を有難くいただいた、文化だ。
平和ってこの感じだよねって福賀が良く云っている。

ヒキガエルも「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
カニも「・・・・・・・・・・・・」
ロバも「・・・・・・・・・・・・・・・」
ライオンも「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
髪の長い女性も「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ワニも「・・・・・・・・・・・・・・・・」
木の下で休む男性も「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ソレデワ、ミンナデ チキュウヲ マモリマショウ」
と、リュウジ。
「ヨロシク オネガイシマス」
とタツミ。

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「あら!フクガセンムさん」
「女将。お世話になりました」
「私、こうした事大好きなんです」
「それにしたも、リュウジは良くやってくれました」
「本当ですね」
「泣いてくれるなおっかさんって、昔、学生が頑張ったけど・・・」
「そうですね。残念でしたね。あの時は」
「おや。福寿司の大将も。何時も間に」

「来ない訳にいかんでしょう」
「お迎えに行かなくて、申し訳ありますんでした」
「大女将さんが迎えてくれました」
「そうでしたか。あら!松竹総理も・・・」
「今着いたところです」

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 つづく
  



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