SSブログ

小説「いめーじ4」

小説 イメージ No:58

 雲さんとの会話 そして水さんと・・・福賀貴義〈ふくが きよし)


  雲「”きよし“と会って話すようになったのは、"きよし”が絵を描くようになった
時からだね」
きよし「そうです。あれは突然の事でした。空から声が聞こえて来て」
  雲「実は、前から“きよし”を見ていた。気になっていたから」
きよし「そうでしたか。私が気が付かなかっただけですね」
  雲「私は水分の集まりだから、形が有ったり無かったりで“きよし”の方からは見
えなかったり
    している」
きよし「形も色々違っていて同じ形はありませんね」
  雲「”きよし”も感覚的には霧じゃないか」
きよし「はい。人それぞれだと思いますが、私は形にならない霧だと思っています」
  雲「私と似たような性格だから、何となく親しみがあるんだな」
きよし「なるほど。云われてみると確かにそんな感じがします」
  雲「今日は何か私に聞きたい事があるらしいね」
きよし「そうなんです。今までに無かった事が起きる予感がしているので”雲”さんと
話したくなりました」
  雲「そのようだね。でも、それは決められていた事で行くしかありません」
きよし「行くところまで行くのですね」
  雲「そうです。前に進む以外にありません」
きよし「”雲”さんと話して良かったです。これで良かったかなと確認したかったから」
  雲「大丈夫。こうして居たらとか、こうして居ればは君には無いのだから。前へ前
へ思ったり、感じた事に向かって進んで行けば良い」
きよし「有難うございます。自然の大切さを忘れずにいます」
  雲「そのために君が居るのだから。よろしく。そうだ”水”さんが君と話したいって来
ている」
きよし「”水”さん。いつもお世話になっています。私たちは半分以上70~80%水分で
すから」
  水「それが解って大事にしてくれている”きよし”を嬉しく思っています」
きよし「空気も水も生き物には本当に大事なのに便利さを求めすぎて疎かにしていていけ
ません」
  水「”きよし“が私たちの事を大事に思ってくれているから心強いです」
きよし「私が最後の砦にならないように後の者に引き継ぎます」
  水「是非そうしてください」
きよし「約束は必ず守ります。任せてください」
  水「私たちは君たち生き物のためにあるのだから、その事をしっかり心の中に持って
ください」
きよし「解りました。忘れることがないように気を付けます」


 福賀貴義は縄文人の血をそのまま受けついでいる。
最近は何かと云えば差別と云うが違いを全て差別と云うのは間違いだと思う。
違いを認め合うのではなく意味嫌ったり卑下したりする事が差別になるのではないか。
勿論、縄文人と弥生人。そして縄文弥生の混血も夫々の違いであって認め合うものだと
思う。
例えば、縄文の狩猟と弥生の農耕。そして其の混合が現在に多く存在している事実を。

 また、縄文のDNAは中国に多く認められ、韓国ではほとんど認められない違いもある。
福賀の基本的な理念は、夫々の違いを認めて関わり合う事だ。
一卵性や二卵性児のように僅かな違いから生まれた時から視覚を持ち合わせない違いなど
様々な違いと関わる気持ちと姿勢。

 誰もがたった一人で居る訳ではなく、周りの人たちの中に居る環境で如何にあるべきか
福賀は常に考えている。
そこから“よりよい環境づくり“の必要性が出てくる。
「そんなお堅いことを考えていられますか?」
って云われるのを承知で福賀は当然のものとして掲げている。
そして、女性は男性より遥かに優れていると認めている一人なのだ。
しかし、愚かな男性たちは自分たちの支配的社会を守り続けようとしている。
心の中では既に男社会は限界に来て居ると感じながらも懸命に踏ん張ろうとして悲しい。

つづく

nice!(78) 

nice! 78