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小説「イメージ4」

イメージ No:83

 おらすじはNo:57にあります。
抜けた部分は回毎に折り込んでまいります。

語り手 空に浮かぶ「雲」の私
主人公 3歳の時に交通事故で両親を失い、父方の叔父に合気道を教えられ、海
    辺で自然と会話し、国立アート大学でグラフィック・デザインを学び、
    自分に出来る限りの力を付ける努力にはげんだ。
    福賀(フクガ)貴義(キヨシ)
    前・総理大臣
    今は社長(月下)のスカウトで化粧品宣伝部・部長で入社した(株)雪
    月花の副社長。(株)東西観光・社長 フランス航空・副社長
    アーティストであり、武道家(合気道九段・少林拳・師範・気功術師)

    福賀(フクガ)ナミカ NPOナミカ理事長 福賀貴義の妻
    山海(サンカイ)小波(コナミ)伊東温泉 山海ホテル・女将
    福崎(フクザキ)正人(マサト)銀座 福寿司・大将
            乙女(オトメ)       女将
    山谷(ヤマタニ)海乃(ウミノ)(株)東西観光・副社長 元・添乗員
     車(クルマ)好人(ヨシト)(株)東西観光・取締役 元・ドライバー
    松竹(マツタケ)梅子(ウメコ)現・内閣総理大臣

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 今までの内閣が出来なかった仕事が出来てホッとした一時をフクガセンムとして
福寿司恒例温泉一泊旅行にナミカを初めて誘って伊東温泉・山海ホテルへ・・・。
福賀がじぶん党の総裁候補の山上に頼まれて政治に関わった時にイメージした女性
の総理大臣も副総理、そして新党「和」の党長から総理大臣を経て松竹梅子を副総
理から総理大臣へとイメージを形にした。

 福賀が(株)雪月花の月下社長にスカウトされて、新設の化粧品部門で宣伝部長
として入社したのが23歳、そして4年で専務になり、3年後に政界入りした時3
0歳で副総理、2年務めて引退。
その後2年民間に戻ってフランス航空の副社長として呼ばれたりしていたら今度は
みんなの党の党首に新党結成を誘われ再び【よりよい環境づくり】を始め34歳の
時に総選挙で大勝して第一党になり総理大臣。
一年後閣僚の一人がスキャンダルを起こし指名責任者としての責任を問われ責任を
とって辞任。
暫定的ながら副総理の松竹梅子が内閣総理大臣になった。
福賀貴義当年取って35歳。

「ナミカさんが福さんと逢ったのはお幾つの時でした?」
福寿司の女将が聞いた来た。
「私が高3の夏でした。友達4人と海水浴に行った時に海の家で逢いました」
「そうでしたか。フクガセンムさんは其の時は?」
「大学4年生でしたね。又寝ちゃってます」
「4歳違いですね」
「そうです」

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「良く解りました。有難うございます」
「35歳の前総理でしたか。何か楽しくて嬉しくて笑ってしまいます」
「福さん35歳。初めて歳聞いたけどこりゃフィクションだ」
大将も大笑いしている。
乗っているんだか、乗っていないんだか解らないバスが伊東温泉・山海
ホテルに着きました。
「今日はいつもより早いお着きですね。え!フクガセンムさんの奥様が
ご一緒で、それはそれは初めまして大変お世話になっております山海ホ
テルの女将の山海小波です」
「主人が大変お世話になっております。フクガナミカです。宜しくお願
いいたします」
二人で同じ挨拶をし合っている。
先ずは大広間の方にとうながされて皆が静かに移動する。
其の時二人のスマホの電話に着信があった。
「もしもし、福賀です。え!社長が急に倒れた?解りました。直ぐ戻り
ます」
「ナミカ!」
「同じです」
「女将さん。ナミカのお父さんが倒れた。ヘリを呼んでください。大至急
で東京の株式会社雪月花まで」
「はい!」
山海ホテルの女将がヘリ会社に連絡する。
「直ぐ来てくれます。屋上に急ぎましょう」
「ヘリポートを造っておいて良かった」
「福賀さんに云われて良かったです」
「そんな訳で申し訳ない。次に又ご一緒しましょう」
「ご無事を願っています」
「有難う」

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屋上に女将二人と大将が送りに来た。
ヘリコプターが到着。
福賀とナミカが乗り込む。
ヘリコプターが飛び立つ。
車では高速の料金所や一般道に降りれば信号で止まらなければならない。
空からなら止まらずに行ける。
(株)雪月花も福賀の勧めで屋上を改造してヘリポートを造っていた。
空高く上ったヘリは東京を見下ろして降りて行くと其処は到着地点だ。
「今、病院から先生が来てくれています」
「お世話になります」
「副社長お願いします」
「貴義お願い。助けてください」
「解った。全力を尽くします」
「先生お世話になり有難うございます」
「あぁ福賀さん。月下さんは心筋梗塞の状態です」
「解りました。呼び戻したいので私に任せていただけませんか?」
「どうぞどうぞお任せします」
「有難うございます」
福賀は倒れている月下に跨った。
大きく気を吸い上げている。
数度繰り返したか。
其の気を月下に向かって吐き掛けて行った。
何度も何度も繰り返し気を入れて行く。
ふっと月下の口から息が漏れた。
その息が広がって目が開いた。
「フ ク ガ さ ん か」
「フクガです」
「キ ミ ノ テ 二 ヒ カ レ タ」
「そうですか。お帰りなさい」
そう云ったと思ったら福賀は気を失って倒れた。
「二人に点滴を」
先生の指示で救急車が二台呼ばれた。

 つづく
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