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小説「イメージ4」No:88

イメージ No:88

 あらすじはNo:57にあります。
抜けた部分は回毎に折り込んでまいります。

語り手 空に浮かぶ「雲」の私。
主人公 福賀(フクガ)貴義(キヨシ)

    3歳の時に両親を交通事故で失う。
    父方の叔父に合気道を教わりながら小さな海岸近くの町で育つ。
    両親から受け継いだ無形の財産を探し、高める事に全ての時間を使って
    自分に力を付けて来た。
    中学の時に美術の先生の作品に感動して絵を描きまくり自然と対峙しな
    がら会話をするようになる。
    
    国立アート大学に進み、2ヶ月の夏休みがあるとしり、中国に渡り河南
    省中岳嵩山にある寺院・少林寺に入門。
    少林拳と気功術を習得して師範の資格を戴く。
    大学入学の時点で日本の武道・合気道は九段を戴いている。

    大学3年の時に命懸けで五代目彫辰に六代目を継いでくれと頼まれ人一
    人の命に代えがたく承知する。
    その10月に日本広告アート協会主催の公募展に特選を受賞して3年連
    続特選受賞で学生として初めて会員に推挙され、同時期に国際アート・
    フェスティバルに出品していた作品がグランプリを受賞し、新聞に大き
    な記事になる。
    その記事を見た当時雪月花石鹸株式会社の社長月下に条件を全て受け入
    れられスカウトの形で新設化粧品部。宣伝部部長として入社。
    1年後に2倍、2年目に3倍と会社の収益を上げて役員と株主に役員と
    して経営に参加を望まれ専務取締役を望み参加する。
   
    2年後ナミカと結婚してフランスのパリに旅行するも付いたその夜に【じ
    ぶん党】の総裁候補だった山上に手伝いを頼まれ副総理ならと条件を出し
    受け入れられ男女半々の組閣を行い、同じ理念の【よりよい環境づくり】
    を進め内閣府に全て民間人による監査機関を置き、先ず与党の最大派閥の
    会長で前総理闇雲の収賄を摘発して退廃した【じぶん党】の浄化を行った。
    国外に於いては世界の各国と不戦条約を締結させた。

    エネルギーは自然の恩恵を極力活用し、自然と生物に害しない他のエネル
    ギーを作り出し原発は廃止する方向で早急に強力な研究チームを設けて最
    良の方法を発案する。
    不戦国日本としては武器を持つ必要なしと考え全ての武器を放棄する。
    よって今後武器の購入は行わない。
    勿論、武器の生産も行わない。

    現在の防衛省は災害対策省に変え自然災害やその他の災害に対応する。
    日本の文化を大切にし、国外の文化と交流を図り豊かにして行く。
    そして、文化と科学のバランスを取るようにしていきたいと思って居る。
    不戦国日本を世界にアピールし、好かれなくても嫌われない日本として
    の外交を最優先とする。 
    こうした政策で武器を待たない中立国を目指して【よりよい環境づくり】
    進めて来たが・・・岩上が体調不良のため総理を辞任・政界を引退してし
    まい手伝う相手を失った福賀は残る理由が無く、副総理を辞任し党からも
    抜け全てを大前田副総理に託して民間人に戻った・・・が

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2013年10月「個展」手で触れられる作品

    最大野党の党首・大海に誘われ新党【和」を結成、党長として総選挙に出
    馬し総理になり副総理に女性を置いた。
    1年後、一人の閣僚が何者かにはめられスキャンダルとして報道された。
    福賀は任命責任を問われ責任を取って辞職、暫定的に副総理の松竹梅子が
    女性で初めての内閣総理大臣になった。
    「イメージした事が一つ形になった」
    瞬間だ。

    「福賀さん内閣府の特別顧問になってください」
    松竹梅子総理に頼まれては断れない。
    「解りました。私にも責任がありますからお引き受けいたします」
    まだ、男性社会が女性社会になった訳ではない。
    男性社会を誇示しようと考える者が巻き返しを狙って妨害するだろう。
    油断できない。
    
    「お疲れさまでした」
    「いや~君の隠れていた部分が刺激になって何か力が湧いて来ました」
    「そうですか。それは良かったです」
    「まだ色々ありそうですね?」
    「在ります。でも今日はこの位で次の時にご覧にいれます」
    「是非、私の知らない部分を見せてほしい。あの刺青の話は哀しかった。
    でも、実物は神々しくて素晴らしかったです」
    「色々な物事が巡り会って来てるのだと思います」
     
     福賀にはこうして居たらとか、こうして居ればよかったが無いのだ。
     そうした人間をタラレバ無しの人間と云う。

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2013年10月 「個展」手で触れられる作品

    「明日は朝の伊豆の漁港に皆で行きますからお休みください。何も考え
    ず明日を楽しみにしてください」
    そう云いながら福賀は月下の目を見ながら柔らかく気を送った。
    
    福賀は次の朝5時に起きて毎日の基礎トレーニングをを済ませた。
    「おはようございます。良くお休みになれましたか?」
    「おはよう。君の話を聞きながら眠りに入ったようです。これは?」
    「合気道と少林拳の基本のトレーニングです」

     ロビーのホールには福寿司一行が揃って福賀たちを待っていた。
    
    「おはようございます。月下さん良く眠れましたか?」
    大将が気遣って聞いて来た。
    「はい。お陰様で良く眠れました」
    「親子で温泉に浸かって良いお話が出来たでしょう」
    「はい。とてもいい話が出来ました。次回が楽しみです」
    「それは良かった。次回は福さん次第ですから私も楽しみです」
    「フクガセンム宜しくお願いいしますよ」
    「頼まれ弱いところを大将にしっかり捕まえられているフクガセンムだし」
  
    「ではお魚に会いに行きましょう」
    港では漁業組合の会長が待っていた。
    天気は上々朝の7時、空は青々と何処までも青い。
    雲一つ無いと云いたいところだが私の雲だけがぽつんと浮いている。

    「おはようございます。お待ちしてましたよ。お好きな魚介類を適当に選
    んで箱に詰めてください。費用は心配ないです。うちの顧問持ちですから
    遠慮はいりませんよ」
    「え~!そんな事になってますか?顧問って?」
    「そうです。うちの顧問になってもらう前、雪月花って会社の専務になっ
    た頃から恒例になってます」
    「月下さん又一つ刺激が増えましたね」
    「増えました」

    「この方はどなた様で?」
    組合の会長が聞いて来た。
    福寿司の大将がそっと伝える。
    「株式会社雪月花の社長さん。福さんの義父さんですよ」
    「え~福賀さんをスカウトした?それはそれは私、漁業組合の会長です。
    福賀さんには大変お世話になっています。よろしくお願いいたします」
    「いや~私の方こそよろしくお願いいたします」
    「今日は大漁でして気分も上々なんで皆さんに喜んでもらえます。社長さ
    んは初めてでは・・・私が適当にみつくろってさしあげましょう。それで
    今回は如何でしょうか?」

    「有難うございます。皆さんと同じように適当にお任せでお願いします」
    「解りました」
    会長の手で鯛や平目など、まるで竜宮城が送られていくような風景になっ
    て来た。

 ミッキー.jpg
もう行く事もなくなった思い出のディズニーシー。

  つづく
 

    
    
    

    
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