小説「イメージ4」No:96
イメージ No:96
「女性にも女にはって無いですか?」
福賀がアルミに聞いて来た。
「どうでしょう?考えてもみませんでしたが、あると思いますよ」
でも、その件は宿題にさせてくださいとアルミはかわした。
「海会長さん。遊びの事で伺いたいのですが?」
「遊びね。大して遊んでいませんが・・・」
「いいえ。遊びの仕事のうちだし生きるって事っておっしゃいました」
「私がそんな事を・・・」
会長はかわそうとした。
「前回伺っています」
「まあね。遊びも生きるために必要な事でしょう。私は古い人間だから時代に
よって生き方の違いも知っています。確かに昔の遊びも知ってるし、経験んも
しています」
「政治家のお偉いさん方は夜な夜な銀座のクラブなどに遊びに行かれてるそう
ですが会長さんも夜な夜な遊びにいらっしゃいますか?」
「夜な夜なは行きませんよ。たまには行きますが、私が行くのと政治家の先生
が行くのは同じにしてほしくないです」
会長は憤然と言い放った。
「どういう事ですか?」
「私は経営者同士の付き合いだったり仕事関係の付き合いだったりですが、彼
らは公僕です。国民の血税を使って居る訳ですから立場がちがいます」
「海会長さんは政治家の先生たちがクラブで遊ばれるのは感心しないと」
「そうですよ。遊びなんかしていてはいけない立場です」
「先生、先生と呼び合っていますが其れについては如何ですか?」
「気持ち悪い」
「はっきり仰いましたね。すっきりです」
「まあね。先生先生っておだてる方も良くないんだけどね」
「貴女彼らに何か教わりましたか?」
「いえ。何も教わっていません」
「そうでしょう。私も彼らに教わった事ないです。国民のため、国のために働
く立場の人間でしょう彼たちは」
「海会長さん。お酒召し上がっていませんよね」
「素面ですよ。はっきり云って夜の世界でお店を経営していらっしゃる経営者
がいらっしゃる。経営者同士で持ちつ持たれつって関係ですね。私たちは」
「経営の世界は昼の部と夜の部があるのですね」
「そうです。そして、その中でも色々あると云う事ですね」
「なるほで。昔に吉原あり、負の遺産と認識していますが?」
「そうですね。確かに負の遺産です。だから其れを美化してはいけないと思う」
「海会長さんはどの辺まで負の資産をご存じですか?」
「知識としては可成り昔の負の遺産を知っています。若い頃は父親に連れていか
れました。今は夜の銀座でクラブに行っています」
「お馴染みのお店も何軒かあったり・・・」
「そうです。一軒だけとはいきません。複数の件数ですよ。アルミさん行きたそ
うですね。今度一緒に夜の経営者を梯子しますか?」
「是非おねがいします」
「前回ちょこっと云ってしまった福賀君につながるあれね」
「連れて行ったら福賀さんが知ってた店だったって・・・」
「そう。私にも失敗が沢山あるんですよ」
「お酒を楽しんだり、それも女性がお相手で・・・」
「夜の女性も色々。お客も色々。お酒が入るから気持ちが解放されて負の遺産を
戴く事も多々あったりしますね」
「其れも男だからですか?」
「そうだね。良い事じゃないけど、男だから仕方ない。此れも勉強なんて飲み込
んだり」
「洒落ですか?」
「まあね。私は福賀君のように怖い世界から守られてないから。痛い目にも会う」
「海会長さんは昔と今を経験されてるから若い人たちに対応されていらっしゃる」
「それはどうか解りませんが・・・」
「福賀さんの話が出たところで、昔と今について如何ですか?」
アルミが福賀に振って来た。
「如何ですかって、何が?」
「男の遊びの世界です」
「吉原の話は、昔々の先輩の話として聞きましたが吉原から学校に通っていた先
輩が居たそうですよ」
「吉原に家が在ったのですか?」
「そうではなくて吉原に泊まり続けていたんです」
「え~っ!そんな事・・・」
「学校が学校と云うところもあったのでしょう」
「不謹慎極まりない」
「女性が女としての感じですね」
「でも、男ってその話を聞いた時に凄いな~って思いましたよ」
「え~?」
「え~って其れも男はって事です。理解出来ないと思いますが」
アルミは暫く黙ってしまった。
やっと気を取り直したのだろう。
「福賀さんはご両親を3歳の時に交通事故で亡くされました。その後、合気道五
段の叔父さまに育てられ大学に入学の時点で九段になられた。大学の夏休みが2
か月近く在ると知って中国の少林寺に入門して中国四千年の歴史を少林拳を通し
て学び大学卒業までに師範の資格を得て、その時点で気功も習得されたと伺って
います。其れだけでも大変な事だと思いますが、其の上に美術の表裏と云っては
語弊があると思いますが裏美術と福賀さんは仰っていましたが和の刺青師でもあ
り名人の称号六代目彫辰さんでいらっしゃる」
此処まで一気に云ってからふ~っとため息をついた。
「はい。その通りで間違いありません」
「そして、自然と会話をされる」
「はい。いたします」
「前回には伺っていませんでしたが・・・念力もなさるとか?」
「よくご存じで・・・」
「今回の為にスタッフが一生懸命に頑張ってくれました」
「凄い!これは私のシークレットな部分です」
「是非お願いです。私に掛けていただけませんか?」
つづく
「女性にも女にはって無いですか?」
福賀がアルミに聞いて来た。
「どうでしょう?考えてもみませんでしたが、あると思いますよ」
でも、その件は宿題にさせてくださいとアルミはかわした。
「海会長さん。遊びの事で伺いたいのですが?」
「遊びね。大して遊んでいませんが・・・」
「いいえ。遊びの仕事のうちだし生きるって事っておっしゃいました」
「私がそんな事を・・・」
会長はかわそうとした。
「前回伺っています」
「まあね。遊びも生きるために必要な事でしょう。私は古い人間だから時代に
よって生き方の違いも知っています。確かに昔の遊びも知ってるし、経験んも
しています」
「政治家のお偉いさん方は夜な夜な銀座のクラブなどに遊びに行かれてるそう
ですが会長さんも夜な夜な遊びにいらっしゃいますか?」
「夜な夜なは行きませんよ。たまには行きますが、私が行くのと政治家の先生
が行くのは同じにしてほしくないです」
会長は憤然と言い放った。
「どういう事ですか?」
「私は経営者同士の付き合いだったり仕事関係の付き合いだったりですが、彼
らは公僕です。国民の血税を使って居る訳ですから立場がちがいます」
「海会長さんは政治家の先生たちがクラブで遊ばれるのは感心しないと」
「そうですよ。遊びなんかしていてはいけない立場です」
「先生、先生と呼び合っていますが其れについては如何ですか?」
「気持ち悪い」
「はっきり仰いましたね。すっきりです」
「まあね。先生先生っておだてる方も良くないんだけどね」
「貴女彼らに何か教わりましたか?」
「いえ。何も教わっていません」
「そうでしょう。私も彼らに教わった事ないです。国民のため、国のために働
く立場の人間でしょう彼たちは」
「海会長さん。お酒召し上がっていませんよね」
「素面ですよ。はっきり云って夜の世界でお店を経営していらっしゃる経営者
がいらっしゃる。経営者同士で持ちつ持たれつって関係ですね。私たちは」
「経営の世界は昼の部と夜の部があるのですね」
「そうです。そして、その中でも色々あると云う事ですね」
「なるほで。昔に吉原あり、負の遺産と認識していますが?」
「そうですね。確かに負の遺産です。だから其れを美化してはいけないと思う」
「海会長さんはどの辺まで負の資産をご存じですか?」
「知識としては可成り昔の負の遺産を知っています。若い頃は父親に連れていか
れました。今は夜の銀座でクラブに行っています」
「お馴染みのお店も何軒かあったり・・・」
「そうです。一軒だけとはいきません。複数の件数ですよ。アルミさん行きたそ
うですね。今度一緒に夜の経営者を梯子しますか?」
「是非おねがいします」
「前回ちょこっと云ってしまった福賀君につながるあれね」
「連れて行ったら福賀さんが知ってた店だったって・・・」
「そう。私にも失敗が沢山あるんですよ」
「お酒を楽しんだり、それも女性がお相手で・・・」
「夜の女性も色々。お客も色々。お酒が入るから気持ちが解放されて負の遺産を
戴く事も多々あったりしますね」
「其れも男だからですか?」
「そうだね。良い事じゃないけど、男だから仕方ない。此れも勉強なんて飲み込
んだり」
「洒落ですか?」
「まあね。私は福賀君のように怖い世界から守られてないから。痛い目にも会う」
「海会長さんは昔と今を経験されてるから若い人たちに対応されていらっしゃる」
「それはどうか解りませんが・・・」
「福賀さんの話が出たところで、昔と今について如何ですか?」
アルミが福賀に振って来た。
「如何ですかって、何が?」
「男の遊びの世界です」
「吉原の話は、昔々の先輩の話として聞きましたが吉原から学校に通っていた先
輩が居たそうですよ」
「吉原に家が在ったのですか?」
「そうではなくて吉原に泊まり続けていたんです」
「え~っ!そんな事・・・」
「学校が学校と云うところもあったのでしょう」
「不謹慎極まりない」
「女性が女としての感じですね」
「でも、男ってその話を聞いた時に凄いな~って思いましたよ」
「え~?」
「え~って其れも男はって事です。理解出来ないと思いますが」
アルミは暫く黙ってしまった。
やっと気を取り直したのだろう。
「福賀さんはご両親を3歳の時に交通事故で亡くされました。その後、合気道五
段の叔父さまに育てられ大学に入学の時点で九段になられた。大学の夏休みが2
か月近く在ると知って中国の少林寺に入門して中国四千年の歴史を少林拳を通し
て学び大学卒業までに師範の資格を得て、その時点で気功も習得されたと伺って
います。其れだけでも大変な事だと思いますが、其の上に美術の表裏と云っては
語弊があると思いますが裏美術と福賀さんは仰っていましたが和の刺青師でもあ
り名人の称号六代目彫辰さんでいらっしゃる」
此処まで一気に云ってからふ~っとため息をついた。
「はい。その通りで間違いありません」
「そして、自然と会話をされる」
「はい。いたします」
「前回には伺っていませんでしたが・・・念力もなさるとか?」
「よくご存じで・・・」
「今回の為にスタッフが一生懸命に頑張ってくれました」
「凄い!これは私のシークレットな部分です」
「是非お願いです。私に掛けていただけませんか?」
つづく
2024-04-29 02:52
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