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小説「イメージ4」

イメージ No:76

 あらすじはNo:57にあります。
抜けた部分は回毎に折り込んでまいります。

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語り手 雲(クモ)
主人公 福賀(フクガ)貴義(キヨシ)前・総理 現在は(株)雪月花の副社長 
    (株)東西観光の社長 フランス航空の副社長 ホテル・旅館連合顧問
    漁業・農業連合顧問 総理府特別顧問等
    福賀(フクガ)ナミカ 福賀貴義の妻

その他 山海(サンカイ)小波(コナミ)山海ホテル女将
    福崎(フクザキ)正人(マサト)福寿司大将 乙女(オトメ)女将
    山谷(ヤマタニ)海乃(ウミノ)(株)東西観光副社長
    車(クルマ)好人(ヨシト)(株)東西観光取締役
    松竹(マツタケ)梅子(ウメコ)現・総理
    ハサン・アフマド・イブラヒーム アラブ系王国の王子

「福賀さん、私の方は準備が出来ています」
「そうですか。では、明日午後にフランス航空でパリに行ってアトリエに集まった
人たちに【よりよい環境づくり】の為に賛同を得るようにしましょう」
「お願いします。盗まれた人を取り返す。当たり前の事ですから」
「随分長い年月出来なかった事ですが、やっと待ちに待ったご家族に佳い新年を迎
えていただきましょう」
「待ちくたびれて亡くなられた方には本当に申し訳ないのですが・・・」
「福賀さん、NPO「ナミカ」の皆さんが無国籍の船をチャーターされて最短距離の
港にスタンバイするように向かわれているようです」
「そうですね。私の方にもナミカからメールが来ました。決行は12月31日夜半」

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 12月29日午後の便で福賀はパリに飛んだ。
アラブ系王国の王子ハサンの住まいにある福賀のアトリエには既に各国の高官達が
集まって待っていた。
「や~ぁ皆さんお久し振りです。お互い元気で良かったです。実は国連の本部にも
話していましたし、皆さんにもお話していた事ですが長い間盗まれていた者があり
ました。盗まれたものは取り返して当然の事ですが今まで出来ていませんでしたが
やっと皆さんの理解のもとで実現出来る事になりました。感謝です」
歓声と大きな拍手が起きた。
「私は福賀さんから聞いていたのでちょっと動きました」
「お世話になりました」
「うちは主席があの国のあの人を12月31日に呼ぶようにしました」
「有難うございます。助かります。傷つけずに済みます」
「その日が取り戻す日になりますね」
「そうです。お出でにならない方が穏やかに事を進められます」
「無事に済むように協力します」
「盗まれたものを取り返す当然の事を当然な事として行うのですね」
「そうです。一度少しだけ返されました。そして全て解決とされました」
「そうではなかったのですね」
「そうです。当事者が亡くなって事件もなくなった事になっていました」
「今回で盗まれたものは取り返す事が出来て良かったですね」
「やれば出来る事ですね」

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「皆さんのお陰です」
「自然を大事にする福賀さんだから出来た事です」
「NPOナミカに頼まれて無国籍の輸送船を用意しました」
「有難うございます。ナミカから聞いています。助かりました」
「事件は国家的な意図で行われたのではなく個人の出世欲から起こされた事が解り
ました。良かったです」
「結婚して家庭を持っている人もいて、一緒に帰りたい人たちもいます」
「そうでしょうね。その人たちは?」
「一緒に帰ります」
「当然ですね」
「役所の人たちや、家族の関係者たちには翌朝まで良く眠っていてもらいます」
「それは良い考えです」
「輸送船はどうなりますか?」
「日本海側の先ずは日本の北陸側の港に被害者の家族を降ろして西に向かってからは
九州辺りに着港して被害者たちを降ろし、後はヨーロッパに向かう予定です」
「福賀さんは此の後どうされますか?」
「私は乗船された方たちが無事に夫々の所にお帰りになるまで此処に居て見守りたい
と思っています」
「それでは盗まれた大事な命が無事に取り返される事を願って乾杯をしましょう」
「祈りの乾杯ですね」
「はい。そうです」
このお城のような住まいの持ち主ハサンの呼びかけで乾杯が行われ大きな拍手が部屋
中に鳴り響いた。
ナミカから福賀にメールが来た。
「全員無事に乗船しました。此れから新潟港に向かいます」
「ご苦労様です。皆さんを安全に送り届けてください。気を付けてね。幸運を祈って
います」

つづく

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 当拙ブログにお越しくださる皆さん一年大変お世話になりました。
また来年もよろしくお願いいたします。
皆さまにとって2024年が佳い年でありますように願っております。


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